住まいの診断事例

2017年8月25日 金曜日

広島市I邸[築38年 木造]
耐震診断

基礎部分

基礎は基礎の種類と鉄筋の有無、クラック(ひび割れ)の有無と状態をチェックします。築30年の戸建の基礎は全部ではないですが、ほとんど無筋コンクリート(鉄筋が入ってない)です。このI邸も無筋コンクリートでした。鉄筋コンクリートより強度は劣ります。画像はクラックの幅を測っています。

居室

居室は床・壁の傾斜・漏水跡の有無・座鳴り等をチェックします。
I邸は一部傾斜が確認されました。

筋交

耐震診断では予め、図面を提出していただきます。その図面にのっとって、筋交いが入っているかを実際にチェックしていきます。画像の斜めの木材が筋交いです。通常、壁の中にありますので、小屋裏(屋根裏)もしくは床下から確認します。

下地材

下地材(壁の中や床下、屋根裏にある部材)の状態もチェックします。カビやシロアリ被害がないかも同時にチェックします。

ベランダ

耐震調査ではベランダの状態もチェックします。建物と一体的に作ってあるベランダもありますし、後付のベランダもありますが、同様にチェックします。

浴室

浴室が在来工法の場合、タイル部分にクラックがあれば、下地材に水が達してしまうので、チェックします。画像はタイルのクラックです。

総 評

実際にお宅にお邪魔しての耐震診断をさせていただき数か所チェック項目に該当する傷み等がありました。
一部床の傾斜がみられました。
また、浴室タイル部分にクラックが確認されたことと、基礎コンクリートに規定以上のクラックが確認されました。
上記の理由で評点が下がると考えます。

国が推奨する「一般診断法」による上部構造評点
0.55(倒壊する可能性が高い)

(注)1.5以上:倒壊しない 1.0〜1.5未満:一応倒壊しない 0.7〜1.0未満:倒壊する可能性がある 0.7未満:倒壊する可能性が高い

壁直下率 41% ≦ 55%

※一般社団法人木造住宅デザイン研究会が定める安全基準値

壁直下率とは、1階と2階がつながっている柱や耐力壁の割合のことで、構造的なバランスを評価する重要な指標として使われています。

柱直下率 40% ≦ 50%

※一般社団法人木造住宅デザイン研究会が定める安全基準値

耐震補強方法の例

上部構造評点 1.02 ≧ 1.0

(注)1.5以上:倒壊しない 1.0〜1.5未満:一応倒壊しない

耐震補強前 壁直下率41%

耐震補強後 壁直下率58.9% ≧ 55%

耐震補強前 柱直下率40%

耐震補強後 柱直下率60% ≧ 50%

既存壁の補強と新設壁の両方で補強しました。
また、食堂(台所)と洋室を1室とし、LDKとして使用できるようにしました。

診断費用:
60,000円(消費税別)

お客様の声

なぜ診断をしようと思ったのですか?
息子に相続したいけれど、築年数が経っており、耐震が心配だった。補強で済むなら、補強してから譲りたいと考えている。ダメなら平地にするか、建て替えを検討しなければならない。
診断をしてどうでしたか?
床下から屋根裏まで隅々までチェックしてくれて、信頼がおけた。また、補強で評点が1以上になると聞き、とてもうれしかった。補強案では、ただ補強するだけでなく、私たち夫婦の要望も取り入れてくれて本当にうれしかったです。