耐震診断「倒壊のリスク」4段階で評価

中国新聞に二度にわたって記事掲載!

少しご報告が遅くなりましたが、当社代表の金堀が中国新聞から取材を受け、

「耐震診断」と「耐震改修」に関してお話させていただきました。

 

2021年5月8日は耐震診断について

2021年5月22日は耐震改修について

 

210508中国新聞

 

 

210522中国新聞

 

 

 

 

耐震診断「倒壊のリスク 4段階で評価」

 

地震大国と呼ばれる日本においては、建物をつくる時には

耐震性をしっかりと考慮した家づくりが求められます。

 

建物の耐震基準は建築基準法で定められています。

1978年の宮城県沖地震を契機に81年6月に建築基準法が改正され、新築の際は「震度6強、震度7でも倒壊しない」耐震性が義務化されました。

81年5月以前の基準を「旧耐震基準」、81年6月以降を「新耐震基準」と呼びます。

さらに95年の阪神大震災でも多くの木造建築に被害が出たため、2000年6月に建築基準法を改正。

新耐震基準をベースに、木造の柱と土台を接合する金具や壁の配置に関する規定を強化しました。(2000年基準)

旧耐震基準で建てられた建物は、震度6以上の地震に襲われると倒壊する危険が高いため、国は耐震補強を推進しています。

 

新耐震基準の建物でも2000年5月以前に建てられている場合は、専門家による耐震診断を受け、必要に応じた耐震補強や耐震リフォームを行うことをお勧めします。

 

耐震診断は震度6強、震度7の大型地震に対し、建物が倒壊する可能性がどの程度あるのかを、耐震診断資格を持つ建築士が現行の2000年基準で調査します。

診断項目は、建物の構造やバランスの確認をはじめ、多岐に渡ります。

外回りでは屋根や外壁の状況、基礎部分は鉄筋の有無や亀裂(クラック)の状況を確認。

内部は天井裏の梁や下地材の劣化状況、壁や床面の水平度、床下では換気状況(温度・湿度)、構造躯体の含水率、シロアリ被害の有無などを調べます。

 

診断結果は専用ソフトに入力し、耐震性を4段階に分けて評価。評点が1.5以上なら大型地震でも「倒壊しない」、0.7未満なら「倒壊する可能性が高い」とされます。

こうした結果に基づいて、耐震リフォームの計画を練ります。

 

 

耐震改修「壁や柱強化と屋根軽量化を」

 

 

耐震改修は、壁や柱、基礎の補強、屋根の軽量化がポイントです。

一戸建て住宅に多くみられる木造軸組工法は、垂直の柱と水平の梁、土台で構成されているため、左右の揺れに弱いとされます。この弱点をカバーするために用いられるのが耐力壁で、強度の高い構造用合板を柱や土台に打ち付けて設置します。

柱と柱の間に斜めに入れる「筋交い」を使って補強する場合もあります。

柱の補強には主に、接合金物を使います。

柱と土台、柱と梁の接合部をさびないステンレス製の金物で補強。地震発生時に梁から柱が抜けたり、土台から柱が飛び出したりするのを防ぎます。

柱の本数が少ない時は、新しい柱を追加する場合もあります。

 

家を支える基礎にひび割れが生じている場合は、エポキシ樹脂などを注入し、穴をふさぎます。ただし、これは劣化防止につながるものの、耐震性能の向上にはそれほどの効果はありません。

強度を高めるには、基礎の隣に新しく鉄筋を組んで一体化させる方法や、床下全体にコンクリートを敷き詰める方法などがあります。

瓦ぶきの屋根など、屋根が重いと柱や基礎に大きな負荷がかかります。

地震の際には屋根が重いほど遠心力が働き、建物への揺れが増大します。

ガルバリウム鋼板などの金属板やスレート屋根に吹き替え、軽量化するケースが少なくなりません。

 

1979年に建てられた広島市安佐南区の2階建ては耐震診断を行ったうえで耐震補強のプランを練りました。

基礎に鉄筋を加えて補強したほか、1階の壁に筋交いや構造用合板を加えて耐震性をアップ。

キッチンと和室を一体化させ、大空間リビングを設け、開放感も向上させました。

空間のリフォームを同時の行うと効率的です。