住まいの診断事例

2017年11月2日 木曜日

福山市K邸[築23年 木造]
住宅診断

屋根部分

昨今よく見かける屋根材、いわゆるスレート瓦です。このスレート瓦は実はメンテナンスがいる建材です。5~10年くらいで塗り替えをした方が良いものとされております。今回も物件は、画像の通り表面の塗装の膜が剥げてきており、カビ等も発生しております。現状では雨水の侵入等はなかったですが、このままほっておくと塗装の膜が完全に剥がれ、スレート瓦自体が朽ちてきて、最終的には雨漏りの原因となる可能性が高くなります。

外壁部分

今回の物件の外壁は、モルタル下地吹き付け塗装仕上げというものです。こちらは基本的にメンテナスフリーですが、クラック(割れ)が入ると下地に雨水が入ってしまうので、要注意です。ヘアークラックといって割れも細いものならそこまで気にすることはないですが、割れの幅が0.5ミリ以上になると雨水の侵入の可能性が高くなります。

軒裏・雨どい

軒裏や雨どいもチェックします。軒裏に濡れ跡や漏水が確認されると、小屋裏(屋根裏)等にも漏水の可能性が高くなります。今回の物件は昨今一般的なケイ酸カルシュウム版というコンクリートパネルの一種を使用している軒裏です。防火性が高く、防水性もあります。

基礎部分

建物を支え、家の重さを地盤に伝える大切な役割を持つ基礎部分。人間でいう足腰ようなものです。この基礎は鉄筋コンクリート(コンクリートの中に鉄筋が入っているもの)と無筋コンクリート(コンクリートの中に何も入ってないもの)の2種類が主です。もちろん鉄筋コンクリートの基礎の方が強いのですが、20数年前まではどちらも普通に使われております。現在では鉄筋コンクリート基礎が一般となりました。調査では鉄筋の有無もチェックします。

床下部分

基礎には布基礎とベタ基礎があります。布基礎は壁にしただけに基礎があります。上から見ると線のような基礎です。一方ベタ基礎は壁の下はもちろんその他の部分も基礎としています。上から見ると面のような基礎です。すぐれているのはベタ基礎です。この建物は布基礎ですが、湿気対策等のために土部分にコンクリート、もしくはモルタルで床板を形成しています。よくベタ基礎と間違われますが、役割が違います。

階段部分

この建物には手すりがありませんでした。2000年に建築基準法改正があり、今では階段部分に手すり設置は必須となっております。それまでに建った建物で手すりのないものは違法ではないのですが、やはり危ないので手すりはあった方が良いと思います。
ちなみに住宅用の火災報知器の設置は義務となっております。これは法律が変わる前に建った建築物でも違反となりますので、ご自宅をチェックしてみてください。

総 評

かなり大きな建物でしたが、ゆがみや基礎の痛み等の構造的な欠陥はなかったです。しかし、外壁や屋根材などにいたみやクラック(割れ)が見受けられたので、早期の補修及び改修をおススメしました。

診断費用:
95,000円(消費税別)

お客様の声

なぜ診断をしようと思ったのですか?
やはり購入の検討で、現状が気になったためです。また片方の家を賃貸として貸す為に大家として現状を知っておこうと思ったからです。
診断をしてどうでしたか?
ひとつひとつ丁寧に調べていただきありがとうございました。また、分かりやすく解説していただきました。住宅診断を参考に外壁・屋根補修をしたいと思います。