住まいの診断事例
2020年4月8日 水曜日
広島市H様店舗物件[築48年 木造]
耐震診断
屋根
民家を店舗に改修して使用されている物件の耐震診断を行いました。
屋根は比較的きれいで、ズレもなく、雨水が侵入をしている痕跡はありませんでした。
基礎
基礎部分には、クラック(割れ)が多数見受けられました。
基礎のクラックは劣化事象に入りますので、耐震計算における減点項目の一つとなります。
外壁
外壁部分にも基礎部分と同様、クラック(割れ)が多数見受けられました。
外壁のクラックも劣化事象に入りますので、耐震計算における減点項目の一つとなります。
内部
内部は店舗用に大きい空間となるよう、壁や柱が多く取り除かれていました。
それに伴う補強等も見受けられない状態でしたので、評点の減点になります。
室内壁
室内の壁もチェックします。
外壁と同様、室内の壁にもクラック(割れ)が生じている場合は、減点対象となります。
今回は、割れ及び欠損が見受けられました。
小屋裏
小屋裏や床下から構造の状態も調べます。
腐食や欠損、雨漏り跡などをチェックします。
今回は、経年劣化は見受けられますが、特段問題ないと考えます。
総 評
現地での耐震診断では以下のチェック項目がありました。
・外壁に数か所クラックがある
・基礎に数カ所クラックがある
・内壁にクラック及び欠損が確認される。
・内部の柱及び壁をリフォームにより、取られている。
耐震計算による評点の減点となると考えます。
国が推奨する「一般診断法」による上部構造評点
0.4(倒壊する可能性が高い)
(注)1.5以上:倒壊しない 1.0〜1.5未満:一応倒壊しない 0.7〜1.0未満:倒壊する可能性がある 0.7未満:倒壊する可能性が高い
耐震補強方法の例
上部構造評点 1.01 ≧ 1.0
(注)1.5以上:倒壊しない 1.0〜1.5未満:一応倒壊しない
▼
耐震補強後 壁直下率0% ≧ 55%
耐震補強前 柱直下率%▼
耐震補強後 柱直下率0% ≧ 50%
もともと民家だった建物を店舗としてリフォームされている物件でした。建物自体の劣化における耐力の低下と店舗改修の時の柱と壁の撤去における耐力の低下で評点は0.4と低いものとなりました。
補強に関しては、通常の構造用の合板や筋交などを入れる方法では、1.0を目指しにくかったので、かべつよしという特殊な耐震部材を採用しました。
こういった耐震用部材は昨今多く発売されるようになり、その多くは大臣認定を取っています。これらの耐震部材のおかげで今では耐震補強工事が以前よりだいぶ安価になってきました。
診断費用:
60,000円(消費税別)
- なぜ診断をしようと思ったのですか?
- 以前はこの物件でカフェをしていたのですが、この度福祉施設を開業することになり、耐震補強が必須となりました。
HPを見させてもらい、金額と信頼がおけそうな御社に依頼したいと思いました。
- 診断をしてどうでしたか?
- 住宅からカフェに改修するときに耐震の事を全く考えず、とりあえず大きい空間を確保するために、間仕切り壁や柱を多く取り除きましたので、耐震は以前から不安でした。
診断を受け、やはり評点が低く、建て直しかなと考えておりましたが、補強案を出してくださり本当に感謝です!!